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ブルーノ・ロッカ
Bruno Rocca
バルバレスコの畑ごとのポテンシャルを引き出すワイン造り!
ブルゴーニュの影響
歴史は浅く、1950年代前半に現当主ブルノの父フランチェスコと母マリア・アデライドがバルバレスコ村中心部から現在のラバヤの地に移住したのが始まり。
当初は葡萄栽培農家として協同組合や近隣のカンティーナに葡萄の段階で販売していた。
父が亡くなりブルノに代替わりとなった81年にボトリングを開始。
30年の歴史しか持たない若い造り手ながら、今や他の造り手達も認めるバルバレスコを代表する造り手となった。
ブルノとの会話の中にはブルゴーニュという言葉が何度も出てくる。
30年前、バルバレスコにはテロワールという概念がなく、畑ごとの土壌の違いやミクロクリマの違いをワインに表現するという考えを持った造り手は皆無だったという。
ブルノは年に数回ブルゴーニュに渡り、土壌の扱い方、栽培、醸造までを学んだそう。『バリックの導入もブルゴーニュの影響だ。でも勘違いしないで欲しい。バリックの香は大嫌い。葡萄に力があるからバリックが必要になる。これは自然なことだ。バリックの風味ではない。バリックの酸素供給能力が必要になる。
36ヶ月以上熟成、乾燥させたバリックは香もタンニンも控えめ。酸素をある程度供給しながら発酵、熟成させることだけが重要なんだ』
銅は酸度を下げるからほとんど使わない
ブルノは多くのことを実際のワインで試している。
一時期はロータリーファーメンターを活用し、速やかな抽出と色素の安定に取り組んだこともあったが、現在では縦型ステンレスタンクでの発酵に戻している。横型の発酵容器では果帽が常にワインに漬かっている状態になり調整が効かないが、縦型であれば果帽が上部で完全にはワインに漬からず、ルモンタージュの仕方、回数によって調整ができる。
一方、畑では化学肥料は一切使用されない。近年ではボルドー液も使用しないという。『ボルドー液の毒性は6ヶ月以上もの間畑に残留するが、我々が使っている天然硫黄は2週間で土に戻る。大きな違いだと思わないか?
それにボルドー液の主原料である銅はネッビオーロの命である酸度を下げることに繋がる』
トゥーフォ(青い石灰)から生まれるラバヤ
畑はラバヤを中心にネイヴェ側のコパロッサ、クラ、更にはトレイゾにも少し持っている。全ての畑はクリュを名乗れる区画であり、なんとベースのバルバレスコも全てクリュの葡萄が100%使われている。
最も重要な畑“ラバヤ”はトゥーフォと呼ばれる石灰質の堆積土壌であり、特に珪素が強く、他の土壌より青がかった色調が特徴的。
南西向きで日照量が最も多い畑で、盆地上になっている下部にはタナロ川が流れていて川から年間を通じてこの盆地を冷たい風が吹き抜けていくのだそうで、この風がカビや病気から葡萄を守ってくれる理想的環境。ワインはしっかりとした骨格を持ち大きなワインに仕上がる。一方、ネイヴェに位置するコパロッサは砂質と小石が多い土壌で粘土比率が極端に低くなる。骨格では劣るが芳香の広がりや可憐さではラバヤ以上のワインに仕上がるという。