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レ・コステ
Le Coste

ジャン・マルコ・アントヌーツィ(Gian Marco Antonuzzi)、彼ほど合理的、かつ感性的な造り手に出会ったことはあっただろうか。ヴァレンティーニやシュレール、愛する造り手のワインを飲むうちに、自らワイン造りの道を選んだジャンマルコ。
多くのワイナリーでの経験、そして祖父より受け継いだグラードリでのブドウ栽培、それぞれ全くの無関係のようですべては彼の計画した通り。
そう感じさせてくれる説得力を持っている。
そして、それだけでは終わらない彼のエネルギーは、畑での挑戦はもちろん醸造においても、ただならぬものがある。
いつもの想像の斜め上を進み続ける彼のワイン。
そこには造り手だけでない、飲み手へのたくさんのメッセージが散りばめられている。
グラードリの土地はラツィオ北部、ヴィテルボ近郊カルデラ型の湖ラーゴ ディ ボルセーナのほとりにある。このあたりの土壌は火山礫、凝灰岩、細かい顆 粒状の石が積み重なり形成されている。
砂質、シルト質、火山性の堆積物、特に鉄分が多く、石灰質と共にブドウに特徴的なミネラルを与えている。
標高も高 く、350~500mという斜面、祖父の畑や周囲の小さな放棄地を寄せ集めた 5ha(樹齢が非常に高い)と、2004年に彼が手に入れた3haの土地「Le Coste」。
2006年より収穫・醸造を開始。
すべての畑において一切の薬品類を使用せず、天然抽出した銅でさえほとんど使用しない(高樹齢の畑においては一切使用していない。)、肥料ももちろん、堆肥、緑肥でさえ行わない農業。
畑ではブドウ樹だけを栽培するのではなく、自家消費用に野菜やオリーブ(一部は販売用にも生産)果実を混在させた状態で栽培。
単一的な環境ではなく、より多様性のある畑、自然環境に近づける努力を惜しまない。
これは、ジャンマルコのポリシーであって、絶対に妥協しない部分。
効率も悪ければリスクも非常に高い、しかしこのポリシーを貫くための過酷な畑仕事は一切惜しまない。
彼の言葉を借りるならば、「自分の造りたいものを造るためには、欠かせない事。」となる。
レ・コステを理解する上でまず必要なもの、樹齢の古い畑と若い畑、この二つを見ていただきたい。
常識的に考えれば、樹齢の若い畑と、古い畑、ブドウの質でいえば樹齢が高い方が当然良い、と考えられるだろう。
しかし、ジャンマルコの目指している高すぎる到達点からは、若い畑といっても凄まじい可能性を秘めている。

2003年にジャンマルコが手に入れた約3haの湖に向いて開けた台地。
2004年に初めて植樹、サンジョヴェーゼ、アレアーティコ、プロカーニコ(トレッビアーノ トスカーノ)、マルヴァージア、ごく僅かのモスカート。植樹するにあたり台木を使 うことは、フィロキセラから樹を守るために必要不可欠、、というのが一般論。
しかし、フィロキセラの影響がない環境ならば、自根の持つ奥深さと、果実に与える影響力は計り知れない。レ コステの土壌特徴はフィロキセラへの強い耐性があると判断した彼、(何事においても実践主義である彼の性格もあるかと)台木を使わず自根での栽培(ピエディ フランコ)を行う。 そしてセレクション・マッサールによる多様性(ヴィテルボ周辺より集めたクローンやその他の地品種、そして尊敬する素晴らしい造り手達から苗木を分けてもらったという話は良く知られていますね)。
そして超高密植による負荷、(1haあたり10000本~12000本)、仕立てはワイヤーを使わず樹1つずつに支柱を 立て、非常に背の低いアルベレッロ(株仕立て)にすることで、結実自体を減らす(初めから収穫量を抑え、樹の成長のみを考えた手法)。10年を越えた段階で、1本の樹より僅か500g~1kg(しかも人為的に一切摘果を行わずに!) という徹底した栽培。
そして、そこからさらに選果するという、正気とは思えないほどのこだわり。
3haの畑よりわずか1500~2000本分しか造られないLe Costeを冠するビアンコ、ロッソ。
そしてアレアーティコを用いた最大限の踏込み、ともいえるアーレア・ヤクタ エストが生まれる。
人為的な介入をほとんど行わずに極限まで凝縮した果実から、最大限ともいえる土地の表現しようと考える。
植樹の段階から徹頭徹尾、自ら学んだ栽培哲学を詰め込む畑。
ジャンマルコ曰く、「Le Coste に足りないものは唯一、時間(樹齢)だけ。」

もう一つは樹齢50年を超える高樹齢の畑。
ヴィテルボ周辺は古くよりブドウ栽 培が行われてきた土地。水はけの良さと豊かなミネラル、病気などのトラブルが起きにくく、元来農薬など皆無の栽培が当然。
フィロキセラの被害もほとんどなく、 自根(ピエディ フランコ)のまま育った樹も少なくない(現に50年を越える自根のアレアーティコ、サンジョヴェーゼが彼の畑に存在している。)しかし、長い年月の間行き届いた手入れが施されていた訳はなく、手入れの不備からくる不安定さ、もろさがあることも事実。
離農や過疎により手放される畑を借り足しながら、2015年現在で、23カ所に点在し合計5ha。
なんとも作業効率を度外視してはいるものの、効率では補えないほどの樹齢の素晴らしさがある。
「長い年月を経たブドウ樹を軽視してはならない」そう語るジャンマルコ。
ヴィンテージごとの気候の変化にとても柔軟に対応し、現在ではボルドー液はもちろん銅さえも必要としない完成された区画も多く存在する。
VVでの出来事は、彼にとって大きな経験ともいえる、「成長した樹の素晴らしさを見せつけられた」と話す。
彼として珍しく、 スタンダードとして存在するワイン(ビアンコ、ビアンコ R、ロッソ、ロッソ R)が生まれるのも、このVVの畑から。
そして23カ所にも細分化された結果、畑の区画ごとに如何ともしがたい果実的な個性や特徴。
2012年よりそれを素直に表現し始めた。(ビアンケット、ガンブリヌス、、etc)。
さらには、この5haよりごく一部のみ、Le Costeにも負けないほどの完成度を持ったプロカーニコより造られるワイン「レ ヴ ィーニェ ピウ ヴェッキエ」はあまりに生産量が少ない(良年のみ 250~450本程度)ため、手法もリリースまでの時間も一切構わず、自分の思うままに造り上げるというこだわりを持ったワイン。
2010年というレ・コステにとって危機的な気候状況に対峙した2つの畑。
わずかな樹齢であるにも関わらず、想像もつかないほどの見事な収穫を見せたLe Costeに対して、常識でいえばこうした変化に強いはずのVVの甚大なる被害。
どんな知識や技術、経験でも実証できない出来事が、彼の目の前で起きる。
これは彼の栽培に対する観念に多大な影響を与え、価値観が再構築されるきっかけともなった。
彼曰く、「ワインを造るのに自然の恩恵は欠かせない、気候や環境ってのは全くコントロールできない。
だからいわゆる“良い年”に“最高のブドウ”が収穫できる。
ただ、これは“最高のワイン”ではない。そのまま普通に仕上げたら、自分の中では“良いワイン“、としか言えない。
これまで以上の醸造、リスクを冒すことが当然必要。それに、その方が面白いだろ?」 醸造に関しては、すべてのワイン、すべての工程において酵母添加、亜硫酸添加、温度管理、ろ過や清澄、一切の介入を行わない。
これは人為的な介入を一切行わずに、ブドウの持つキャラクターのみによりテロワールを表現しようという、ジャンマルコ の醸造哲学を100%表現した形といえる。 畑でみられる樹の個性、果実的な違いを直感的に表現しようと考えているジャンマルコ。
必然的にリリースするワインの種類は多くなっていくのも仕方のない事かもしれません。
白ワインにおいては2008年以降、果皮や種子の要素を持たせない(長い果皮浸漬を行わない)アプローチが中心。
VVから造 られるスタンダードなワイン、Bianco、BiancoR は特に樹齢の古い区画の樽をより長い時間樽熟成させたワイン。
そしてLe Costeから造られるのはその名を冠したビアンコのみ。
(3haの畑より、ロッソと合わせても例年2000本程度しかボトル詰めされない) 赤、特にサンジョヴェーゼ(グレゲットと呼ばれる)についても同様に、VVより造られるRosso、RossoR。
レ・コステより造られるLeCosteの名を冠したロッソ。
そしてアレアーティコより造られる、最大級の踏み込みを行ったアーレア・ヤクタ エスト(特に2011年のリリースより、今までのアーレアとは果実的な到達点、醸造にかける時間の長さ、どちらにおいても今までとは比べ物にならな いワインとなりました。
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